『読書感想文』 保阪正康 あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書

あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)を読みました。

アマゾンの評価を見ていると極端ですね。主に右派からの評価が低いですのう(´・ω・`)

  • はじめに
  • 第一章 職業軍人への道
  • 第二章 開戦に至るまでのターニングポイント
  • 第三章 快進撃から泥沼へ
  • 第四章 敗戦へ-「負け方」の研究
  • 第五章 八月一五日は「終戦記念日」ではない-戦後の日本
  • あとがき

過去の著作から、お手軽に取捨選択して、まとめたって感がありますが、ぶっちゃけ、はじめにとあとがきに書かれていることがすべて凝縮されているかと。
「はじめに」ではまず、8月15日の夏の甲子園でのセレモニー、そして、広島平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑のおかしさを指摘。
また、太平洋戦争の歴史的検証さえ十分に検証されていないことを指摘。これは、平和教育という歴史観が長らく支配してきて、本来の歴史としてとらえていなかったこと。
著者の体験として、小学生時代アメリカ軍の戦争記録映画を見る授業があるが、日本の特攻機が次々と撃墜されるシーンが上映される。それを見て拍手喝采する教師たち。これは、トラウマにならない方がおかしいし、戦後教育のおかしさを表すエピソードですね。

歴史を歴史として提示しようとすればするほど、必ず「侵略の歴史を前提にしろ」とか「自虐しかんでからル名」などといった声がわき上がる

歴史としてとらえるには、もう少し時間が必要かもしれないけれども、時間がたてば立つほど検証がたいへんになるからのう。。。

第一章は、旧軍の基礎知識なので、これは必読部分かも。たとえば、「軍部」とは何を指すのか、職業軍人となるにはどのような道をたどるのか、中隊とか大隊、師団の構成単位など。そして、「魔法の杖」と言われた統帥権について。ここに書いてあることは、基礎知識として押さえておきたいですね。

第二章で、「海軍国防政策委員会」について、若干触れられています。これが太平洋戦争に向かっていく大きな役割を果たしたのではと指摘がされている機関ですが、ここが石油備蓄量についてでたらめの報告をしていたという事が書かれてあるけど、これについてもっと、具体的な、どの資料から解ったとかの記述が欲しかったですのう。
あとは、二・二六事件からではなく、張作霖爆殺事件jからの方が適切なんでは無いかなと思うんですがね。

第三章第五章では軍部がどのような戦争目的を持っていたのか、何を持って勝利と考えていたのか、などに触れていますが、目的無き戦争に突き進んでいった姿が明らかになります。
そして、特に重要と思うのは、8月15日と9月2日の考え方について。日本では、8月15日が終戦記念日となっているけど、正式には9月2日に降伏文書に調印した日をもって終戦となることですね。だから、今年ロシアが9月2日を法律で終戦の日として法律制定したことに、産経新聞など保守系メディア、言論人は、北方4島占領の正当化と騒いでいたけど、ちょっと無理があるんだよね。ここは素直に、日ソ不可侵条約違反と9月4日まで戦争行為を続けていたことから攻めるべきだと思うんですがね。。。

まぁ、結論から言えば、入門書として読む分には良いかもしれませんが、内容が浅いので他の書籍にも読まないとダメですね。